レイナー・ディエシェ

CIRO(シロ)新作香水「コロンビーナ」ノーズショップセミナーの感想レビュー

ニッチフレグランスマニアの鼻を満足させ続けている「NOSE SHOP(ノーズショップ)」

NEWoMan(ニュウマン)新宿店で開催された「CIRO(シロ)」の新作プレビューワークショップを、Twitterで見かけて応募。

6名という狭き門に「当選」したので参加してきました😊

https://twitter.com/kousuibiyori/status/1171235759946207232?s


この日、ノーズショップに来日していたのは、CIRO(シロ)を復活させたオーナーCEOのレイナー・ディエシェさんと、インターナショナルセールス担当のセリーヌさん(女性)。

ワークショップは英語で行われ、通訳を介して日本語でも聞いてきたので、記事にまとめます。
この記事を読むと、以下について詳しくなれます✨

  • CIRO(シロ)ができた1920年の時代背景や誕生秘話
  • 2018年、CIRO(シロ)復活のストーリー
  • CIRO(シロ)香水6作品の試香と解説
  • 新作「コロンビーナ(Columbine)」の試香とストーリー
  • 参加した感想



イベント内容を時系列で書きたいところですが、新作「コロンビーナ(Columbine)」について、香りや使った感想など知りたい人が多いと思うので、「コロンビーナ」情報から書きます😊

CIRO新作香水「コロンビーナ(Columbine)」の調香や香料、試香・肌に乗せた感想をクチコミレビュー

コロンビーナ(Columbine)
CIRO新作「コロンビーナ(Columbine)」

10月5日(土)~販売開始する新作「コロンビーナ(Columbine)」
CIROの香水を試香・購入できる取扱い店舗情報はこちら

新作「コロンビーナ」を試香するまでに、既に販売されているCIRO(シロ)の香水6種類をムエットで試香。

既存のフレグランス作品と比較することで、より新作「コロンビーナ(Columbine)」の特徴が分かりやすい・・!

2018年に発売再開された香水ブランドということもあり、「嗅いだことない人は いないか?」ヒアリングして丁寧に進められました。

コロンビーナ(columbine)に入っている香料

コロンビーナ(Columbine)調香
ワークショップで頂いたお土産
  • TOP・・マンダリン、カラブリアンベルガモット、タバコバーボン、マンジュギク
  • Middle・・アイリス、ピンクペッパー、オスマンサスAbs、ネロリ
  • Base・・バニラAbs、ベンゾインAbs、ベチバー、スエード、ムスク


コロンビーナ(Columbine)の匂いを試香した感想

コロンビーナ感想
新作「コロンビーナ」サンプル

まず初めに感じるのは、タバコの煙っぽさやバニラ、オスマンサス(キンモクセイ)などの妖艶な甘み。

微かにベルガモットもあり、まったり絡みつくようなネロリ。他に、調香にはないものの革のようなメンズライクな深みもあり。
タバコの煙のような洋酒の深みもありますが、全面に出ているのはオスマンサス(キンモクセイ)やバニラのグルマン香。

暖炉や温かい部屋で1日の終わりに、自分に与えるご褒美。
チョコや洋酒、ホットワインを飲みながら、まったりと過ごす時間をイメージできる色気たっぷりの香り💕

これは香水沼の皆さん、好きな方多いんじゃないかな・・✨
系統としては、バイ・キリアン好きな人は好きかも!特にキリアンの「エンジェルズ シェア」

「コロンビーナ」の調香師はアレクサンドラ カーリン。CIROでは、「プタハ」や「フラワリーズ」「ル シープル デュ ニル(LE CHYPRE DU NIL)」を調香。

CIRO(シロ)の香水作り/復活への本気度

左:セールス担当のセリーヌさん  右:レイナー・ディエシェ氏
左:セールス担当のセリーヌさん  右:レイナー・ディエシェ氏

一度は途絶えてしまったNYで誕生したメゾンフレグランスブランド「CIRO(シロ)」
60年経った現代に復活させたのは、ディレクター兼 SEOの レイナー・ディエシェさん。
元モデルで ルームフレグランスブランドLINARI(リナーリ) 社の社長でもあります。

お話しを伺うと、すごく世界観にこだわった香水ブランド作りをしているのが伝わりました。

  • 復刻させた香水の再現性
  • 使用する香料へのこだわり
  • アールデコ様式とNYの洗練されたデザインの融合
  • 見えづらいストローの使用
  • ボトルや重厚感あるキャップへのこだわり
  • ショップ袋やサンプルケースなど世界観の統一



CIRO(シロ)へのこだわりの前に、レイナー・ディエシェさんは、60年前に大流行したCIRO(シロ)の香水ブランドの歴史を解説されました。

CIRO(シロ)の歴史

CIRO NYの香水瓶
「CIRO」NYで誕生した当時の香水瓶

CIRO(シロ)名前の由来は、モナコにある富裕層の人々が通う歴史あるナイトクラブ。
お食事やお酒、ダンスや男女の出会いなど・・大人気のナイトクラブだった模様。この件を話すレイナー・ディエシェさんは何やら楽しそうだった・・(・∀・)ニヤニヤ

「CIRO(シロ)」は、大手フレグランスメーカー「キャロン(Caron)」の輸入で成功を収めていたドイツ系アメリカ人「ジェイコブ・ S・ウィードコフ」により設立。
フランスのフレグランスメーカー「ガビラ社」によって製品化された「CIRO」は、その後、モナコからパリ、ロンドンへと進出。フランス パリのヴァンドーム広場に店舗を構えるまでに急成長。

休眠状態になるまで40年間、富裕層から一般大衆にまでターゲット層を拡大。不動の人気でした。

休眠から60年。
2018年にレイナー・ディエシェにより復活。

アメリカで行われた香水イベントで、CIRO(シロ)の香水レシピを知り、当時と同じ香水名で、作り方も当時のままに再現しようと決意。

レイナー・ディエシェさんとCIROを設立した ジェイコブ・ S・ウィードコフ さんは、どちらもドイツ人繋がり。
同じドイツ人として、アメリカNYやヨーロッパを40年間も一世風靡していたフレグランス「CIRO」を再び現代に蘇らせたかったのでしょう。

現在は使用できない香料もあるので100%ではないけれど、ベストを尽くし、そこに現代的なエッセンスを加えた現在の「CIRO(シロ)」がリボーンしました✨

復刻前当時の香りの再現性は高い?

発売中のフレグランス6つ
発売中のフレグランス6つ

香水好きの人ならば気になるのが、「1920年~60年代の香りがどれくらいのクオリティで再現できているのか」というところ。

後半の質疑応答タイムでも質問ありましたが、現在は使用できない香料(天然の動物性ムスク)や途絶えてしまった植物などもあり、当然ながら100%完全に再現することはできません。

ただ、その香水の匂いの核となる香りを再現するために必要不可欠な香料は、例えば、アブソリュート(Abs)の使用や、産地にこだわるなどしているのだと容易に想像できます。
(私は1920年代のレシピを見たわけでもないので、あくまで想像)

再現へのこだわり(1) 最高級の香料を使用

CIRO
スエードのきんちゃく

CIRO(シロ)の配合香料リストを見て気付くのは、「アブソリュート(Abs)」とつく精油の多さ。

  • ジャスミン アブソリュート
  • インディアンミモザ アブソリュート
  • トンカ アブソリュート


Abs(アブソリュート)とは

工業用 水蒸気蒸留法で抽出したエッセンシャルオイルよりも非常に手間がかかる、溶媒抽出法や昔ながらのアンフルラージュ法で抽出 された香料(精油)のこと。
人が付きっ切りで行い原価がかかりすぎるので、今ではほとんど行われていない。

CIRO(シロ)のフレグランスでアブソリュートの香料が使用されているのは、以下4つ

  • 新作「コロンビーナ(Columbine)」
  • シュヴァリエ ドゥ ラ ニュイ(CHEVALIER DE LA NUIT / 夜の騎士)
  • フラワリーズ(FLOVERIS / 魅惑のブーケ)
  • マスケ(MASKÉE / 仮面)



略して書かない香水ブランドもあるかもしれませんが、香水作りへのこだわりは、すなわち使用する香料(精油)へのこだわりであることも多く、高級なメゾンフレグランスブランドであれば「高級な香料(精油)を使用していますよ」という特別感は強く出していきたいところ。

再現へのこだわり(2) 香料の産地

シンプルな統一感あるデザイン
シンプルな統一感あるデザイン

CIRO(シロ)の香水のレシピを見て気付くことがもう1つ。
産地にこだわった香料(精油)を使用していること。

  • カラブリアン ベルガモット
  • インディアン サンダルウッド
  • インディアン ミモザAbs
  • ブルガリアン ダマスクローズ


など。

香料は、同じローズでも、その土壌のバクテリアや水など、栽培する土地により香りが異なります。

レイナー・ディエシェさんのCIRO(シロ)の再現度への意欲を感じました。

2、ボトルデザインや付属品の見た目へのこだわり

CIROのデザインを手掛けるのはレイナー・ディエシェさん
CIROのデザインを手掛けるのはレイナー・ディエシェさん
  • CIRO(シロ)が誕生したNYの都会的なデザイン
  • 大成功を収めたヨーロッパのアールデコ様式
  • 高デザイン性の外から見えないストロー
  • 重厚感(高級感)
  • 紙袋やサンプルboxの遊び心とデザイン製の統一感



クールな印象を受けるCIRO(シロ)の香水ボトル。
どこかモダンで温かく、古い絵画を見た後のような印象・・なのにシンプルでスタイリッシュ。

理由は、CIRO(シロ)が誕生したアメリカNYで人気のデザイン(シンプルでスタイリッシュ)と、その後の大成功を収めたヨーロッパのアールデコ様式、その両方を取り入れたデザインに仕上げているから。

50ml、30mlサイズがない理由

2018年に復活した香水ブランド「CIRO(シロ)」は、100mlサイズでしか展開していません。

その理由は、ボトルやキャップ、外から見えないストローなど、香水瓶へのこだわりを、50mlや30mlサイズでは再現できないからだと仰っていました。(納得)

重厚感のあるゴールドに輝くキャップ

CIROこだわり
CIROこだわり

店頭で手に取り、試香しようとキャップを開けたことがある人には分かる、キャップの重み。金箔を貼り付けた(ような?)高級感✨

吸いつくようなマグネット式だったかはちょっと記憶にないのですが、しっかりとした着脱具合で、蓋がゆるゆるで持ち運びのときにキャップがどこかへ行ってしまう・・なんて心配は不要。

3万円台のフレグランスでも、キャップが取れやすくてただ乗っかってるだけ・・な香水ブランドもあるんですよね。。

その点、ルイ・ヴィトンやCIRO(シロ)の香水は安心。ユーザーの使い心地を完璧に反映しています。

ストローへのこだわり

香水をプッシュするときに香水を吸い上げるストローへのこだわりは、セールス担当のセリーヌさんに言われるまで気が付きませんでした・・

CIRO(シロ)の香水ボトルを初めて見た、六本木ヒルズのエストネーションで感じた違和感は、これだったのかも・・!

ストローへのこだわりは 担当のセリーヌさん もお気に入りポイントのようで、空間に10プッシュくらいしながら、「みて!プッシュした後のストロー内部、目に見える空間部分に香水が残っていないでしょ?!!」と、強めのワンダホーアピールが印象的でした😊

【比較】NY向けとヨーロッパ向けの香水ボトル(当時の現物)

バカラ製 ヨーロッパ向けの香水ボトル
バカラ製 ヨーロッパ向けの香水ボトル

NYで成功を収めたCIRO(シロ)は、1936年にパリのヴァンドーム広場に進出。

その時、取り入れられたのが、ヨーロッパのアールデコ様式を意識したデザインの香水ボトル。

NOSE SHOP(ノーズショップ)で開催されたCIROのワークショップでは、当時の現物の香水ボトルを触らせてもらえました✨

カッティングも美しい~・・
カッティングも美しい~・・


バカラ製のガラスボトルにうっとり・・💕
もう絶対落とさないように、写真撮影後は ささっ! とお隣の方へ回しました😃

因みにNYで発売されていた当時のCIROの香水ボトルはこちら

CIRO NYの香水瓶
CIRO NYでの香水瓶

NYの方はシンプルでゴージャス、ヨーロッパ向けはエレガントな優美さが表現されています。

復活したCIRO(シロ)の香水ボトル:アールデコとNYらしさを融合したデザイン

発売中のフレグランス6つ
側面の黒と全面の透明感、シンプルな長方形のボトルデザイン

CIRO(シロ)の商品デザインを手掛けるのは、CIROを買い取ったレイナー・ディエシェさん自身。

復活したCIRO(シロ)が誕生したNYと、その後、流行したヨーロッパのアールデコ様式を取り入れた香水ボトルデザインに反映させました。

2018年に復刻したCIROの香水6種の特徴

「CIRO(シロ)」ノーズショップ新宿ニュウマン店
「CIRO(シロ)」ノーズショップ新宿ニュウマン店

ワークショップでは、新作「コロンビーナ(Columbine)」の試香前に、発売中のCIRO(シロ)フレグランス全種の試香とストーリー説明がありました。



今後、それぞれレビュー記事かいていこうと思います(#^^#)

因みに私が好きなのは、「プタハ」と「 ル シープル デュ ニル 」😊

しかし、新作「コロンビーナ(Columbine)」を試作&頂いたサンプルを肌乗せし、すっかり気に入りました💕
キンモクセイやバニラを多い隠すように包むレザーっぽいタバコの煙たさ・・うっとり・・✨

質疑応答&記念撮影タイム

レイナー・ディエシェ
レイナー・ディエシェ

1時間を予定していた「CIRO(シロ)」のワークショップ。
レイナー・ディエシェさん、セリーヌさんはお忙しく早めの終了アナウンスに。

質疑応答では、6名の参加者それぞれに英語で話しかけたり、記念撮影してもらったり、和やかなムードでコミュニケーションを楽しんでいました😊

補足:CIRO(シロ)が流行った1920年~40年間にあった名香

CIRO(シロ)誕生~人気香水だったのは、今から100年ほど昔。

1920年代の時代背景は、世界恐慌や関東大震災など。
香水時代の幕開けと呼ばれる時代で、合成香料アルデハイドを全面に出したアルディハイデックタイプの調香が大流行した時代。

この時代にあった名香は、シャネル「No5」、ランバン「アルベージュ」、ゲラン「シャリマー」「ボルドニュイ(夜間飛行)」、ニナリッチ「レール・デュタン」、クリスチャンディオール「Miss Dior」、グレ「カボシャール」、ジバンシーがオードリー・ヘップバーンのために調香した「ランテルディ」など。

この辺の香水が好きな人には、ピンとくるCIROの香水がみつかるかと。

CIRO(シロ)の香水を試香・購入できる店舗情報

発売中のフレグランス6つ
発売中のフレグランス6つ

*株式会社 ブルジョン公式より引用



CIRO(シロ)の販売を日本で取り扱う代理店は、株式会社ブルジョン

CIROの香水を復活させたレイナー・ディエシェが CEO兼ディレクターを務める高級ルームフレグランス「LINARI(リナーリ)」や、2019年1月からは「Baobab COLLECTION(バオバブコレクション)」も取り扱っています(日本再上陸)

リナーリはわが家でも使用していますが、持ちや香りの拡散性がいいんですよね・・✨

ノーズショップのワークショップイベントに参加した感想まとめ

参加者1人1人と目を合わせて微笑みかけていたお二人
参加者1人1人と目を合わせて微笑みかけていたお二人

発売当時の調香に限りなく近づけて再現しているCIRO(シロ)の香水。

新作の「コロンビーナ(Columbine)」含めた全7種を試香・肌乗せしましたが、どれも古臭く感じません。

アルデヒドが全面に出た香りもなければ、粉っぽい匂いもありません。

100年前の香水というと、100~300もの香料が含まれた、すごく重たい調香のイメージですが、CIRO(シロ)の香水は どれも古臭さは感じません。
かといって、個性が強すぎる「どぎつさ」はなく、とても使いやすいオードパルファン。

新作「コロンビーナ」は、フエギアのグルマン系や、バイ・キリアンが好きな人におすすめのフレグランスだなぁって個人的には思いました・・😊

因みに今、既存販売のCIROの香水を購入すると、新作コロンビーナ含めたサンプルがもらえるそうです・・✨無くなり次第終了かもしれないのでお店に確認してみてください。

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投稿者: 香水日和

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